人文社会科学部の青山和夫教授ら、セイバル遺跡都市中心部と周辺部の航空レーザ測量を実施―マヤ文明の都市形成プロセスの解明につながる成果

 人文社会科学部の青山 和夫 教授らの研究グループは、グアテマラ考古学に航空レーザ測量(ライダー)を初めて導入し、マヤ文明のセイバル遺跡と周辺部の470㎞2において航空レーザ測量を実施しました。その結果、これまで全容がわかっていなかったセイバルというマヤ文明の大都市の構造に関する重要な成果が得られました。今回の研究成果を示したオープンアクセス査読論文は、学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。

 この研究は、青山教授が領域代表を務める科学研究費補助金新学術領域研究 「古代アメリカの比較文明論」の成果の一部です。
 青山教授らは、2015年にグアテマラ考古学に航空レーザ測量(ライダー)を初めて導入し、グアテマラの熱帯雨林に立地するセイバル遺跡と周辺部の470平方キロメートルにおいて航空レーザ測量を実施しました。航空レーザ測量で考古遺構や地形を遠隔探査した後に地上で踏査と発掘調査を行い、これまで全容がわかっていなかったセイバルというマヤ文明の大都市の構造に関する重要な成果を得ました。

 主な結論としては、(1)航空レーザ測量がセイバル遺跡を厚く覆う熱帯雨林において建造物跡の探査に極めて有効であることがわかりました。(2)航空レーザ測量でセイバル遺跡の舗装堤道サクベが新たに見つかりました。(3)航空レーザ測量によって、先古典期(前1000~後200年)の計25の儀式の中心地の分布が明らかになりました。(4)先古典期と比べて、古典期後期・終末期(600~950年)にはセイバル遺跡中心部で建造物の密度が高いことがわかりました。

 今後はセイバル周辺部の踏査と共に、セイバル遺跡と周辺部の発掘調査を続行していく予定です。

journal.pone.0191619.g005.jpg航空レーザ測量を基にした植生分布図

 

journal.pone.0191619.g007.jpgのサムネイル画像セイバル遺跡の最古の公共祭祀建築の復元図

 

journal.pone.0191619.g009.jpg先古典期(前1000~後200年)の儀式建築複合体と住居基壇の推定分布図

 


※図はいずれもオンライン上に公開された下記論文から引用したものです。

掲載論文

  • タイトル:Archaeological application of airborne LiDAR to examine social changes in the Ceibal region of the Maya lowlands
  • 著者:Takeshi Inomata, Daniela Triadan, Flory Pinzón, Melissa Burham, José Luis Ranchos, Kazuo Aoyama, Tsuyoshi Haraguchi
  • 掲載雑誌:PLOS ONE
  • 公開日:2018年2月21日
  • https://doi.org/10.1371/journal.pone.0191619

(2018年2月25日)