平成29年度茨城大学入学式 学長式辞

20170406-7Y9A0258_R.jpg 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
 茨城大学を代表して、皆さんを心から歓迎致します。また、ご家族、関係者の皆様も、さぞお喜びのことと思い、お祝いを申し上げます。水戸の桜も今週咲き始めました。まさに春本番のこの美しい季節に、1,673名の新入生を迎えることができ、大変うれしく思っています。

 さて、新入生の皆さんは、茨城大学での学生生活に対して、大きな期待を持っていることでしょう。そこで、大学とはどういうところか、また、茨城大学ではどのような教育を目指しているのかについてお話ししたいと思います。

 大学や大学院を卒業すると、皆さんは社会に飛び立ちます。つまり、大学は、教育の最終段階であり、社会に飛び立つ準備をするところです。人類は長く学問と科学技術の研究成果を積み重ねてきました。大学は、これらの成果を皆さんに伝える場所です。それと同時に、時代の変化に合わせた新しい教育も必要だと考えています。

 私達が生きているこの21世紀は、かつてなく変化の激しい時代です。例えば、グローバリゼーションによって世界はますます一つにつながっています。私も、成田空港から度々海外に出かけましたが、海外出張に出発する卒業生に何度も会いました。このように、今や国境を越えた経済活動や競争が当たり前になっています。また、科学技術もすさまじい勢いで進んでいます。人工知能や車の自動運転、ロボットの活躍のように、実現にはまだ10年も20年もかかると言われていたことが、もう現実になっています。数年もすれば、車はハンドルから手を離して運転し、人工知能が病気の診断を行うなど、世界の姿は一変しているかも知れません。

 こうした世界で生きていくのにどのような力が必要でしょうか。この問に応えるため、本学では、現代にふさわしい新しい教育を準備してきました。私は、皆さんに、本学での4年間で、こうした変化の激しい社会の未来を切り拓いていけるたくましい茨城大学生に成長して欲しいと考えています。そのため、今年、教育の改革が本格的にスタートします。人文学部は新しく人文社会科学部に生まれ変わります。また、教育学部と農学部でも、学科や課程の構成が大きく変わります。皆さんは、いわば、「新しい茨城大学」に入学する第1期生です。

 こうした新しい教育の目標として、ディプロマ・ポリシーを定めました。ディプロマ・ポリシーとは、卒業までに到達すべき教育目標のことです。茨城大学のどの学部、大学院研究科に入学しても、身につけるべき5つの能力を定めたものです。その5つの能力とは、第一が、世界の俯瞰的理解(自分の中に世界の見取り図を作るということです)、第二が、専門分野の知識とスキル、第三は、課題解決力・コミュニケーション力、第四は、社会に貢献しようという姿勢、そして、第五が、地域活性化に向けた志向です。

 これらの目標を実現する上で、学生一人一人が能動的に学ぶことが柱になっており、そのために、教室だけでなく地域や海外をキャンパスにして教育を展開します。本学では、こうした、実際の問題の現場に出て行く機会が、沢山準備されています。皆さんの中には、グローバルな活躍を目指す人も多いでしょう。昨年は、多くの学生が海外研修や留学に出かけました。カケハシプロジェクトでアメリカに出かけたり、上海スタディツアーといった取り組みが活発に行われています。また、新入生に必修の「茨城学」という講義もあります。この講義では、本学の教員と地元の自治体や企業で活躍する講師が、私達を取り巻く地域社会の生きた課題を紹介します。その後で、皆さんとの議論も計画されています。また、多くの講義を学生の参加型に転換しています。これは、アクティブラーニングと言いますが、事前にテーマを調べてきたり、教室で学生同士が議論したりする機会が格段に増えるはずです。こうした改革の内容は、皆さんに配布された「茨城大学コミットメント」というパンフレットに示されています。コミットメントとは「関わり合い」や「約束」という意味です。この入学式の後にコミットメントセレモニーを行い、その中で、皆さんが4年間をどう過ごすか紹介することになっています。

 大学が高校までと一番違うのは主体性の重視です。例えば、授業には選択科目が沢山あります。そのため、カリキュラムは自分で組み立てなければなりません。そうなると、空いた時間には、図書館のラーニング・コモンズなど自由に使えるスペースで、自分の勉強をすることになります。つまり、名実共に、大学生活の主人公は皆さん一人一人であり、生活時間の全てを自分で管理することになります。大人になるとは、セルフコントロールできる主体的な人間になるということですが、本学でその第一歩を踏み出して欲しいと思います。

 また、大学には、正規のカリキュラムの他に「隠れたカリキュラム」と呼ばれるものもあります。これは、サークルやボランティア活動、あるいは、先生や友人との語らい、読書、新聞を読むこと等ですが、こうした大学生活の全てが、自立した人間へと成長する機会になります。私は、皆さんが、正規のカリキュラムと隠れたカリキュラムの両方、つまり、茨城大学での全ての勉学と生活を通して、変化する21世紀を生き抜ける人間、さらに、よりよい社会を作るリーダーに成長することを心から期待しています。

 今年は、26名の外国人留学生が入学しました。中には、まだ英語の方が分かり易いという人もいるので、簡単に英語で歓迎の言葉を述べたいと思います。

 There are 26 foreign students attending this ceremony. Therefore, I would like to offer congratulations to them in English. On behalf of Ibaraki University, I am extending my sincere welcome to you all. We are very much pleased to have foreign students as new members of our university in this beautiful season, April. We are promoting the reform of university education to meet the demands from the society, and have prepared many courses which you can find attractive and suitable for your study. You are the first students entering to the new Ibaraki University. I hope you can achieve the goals of your studies and enjoy the campus life here at Ibaraki University.

 以上をもって入学式における式辞と致します。今日は、本当におめでとうございました。

茨城大学長
三村 信男