理学部・塚越崇助教、百瀬宗武教授を含む研究グループが、アルマ望遠鏡の観測により惑星周囲の塵粒子の大きさを高精度で見積もることに成功―惑星誕生過程の理解に貢献

 ドイツ・フンボルトフェロー/ハイデルベルク大学/国立天文台特別客員研究員の片岡章雅氏、茨城大学理学部の塚越 崇 助教、百瀬 宗武 教授らの研究グループが、アルマ望遠鏡によって若い星HD 142527を観測し、この星の周囲を円盤状に取り巻く塵粒子の大きさを高精度で見積もることに成功しました。また、円盤内で塵の性質に偏りがあることも初めて明らかになりました。
 この発見は、非常に高い感度を持つアルマ望遠鏡によって、塵からの電波の「偏光」を高い精度で測定できたことによるものです。今回の観測から推定される塵粒子の大きさは、これまで原始惑星系円盤に存在する塵の大きさとして推測されていた値の1/10より小さいものであり、従来の仮定が間違っている可能性が示されました。研究グループでは、塵が単純な球形ではなく、塵粒子が複雑に連なった「すき間だらけ」の構造をしているのではないか、というアイディアを示しています。今後の他の天体での観測をとおして、若い星の周囲で塵が成長していく様子を明らかにすることができ、惑星誕生過程の理解に貢献することが期待されます。
 この成果は、2016年11月発行の米国の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に掲載されました。
 詳しい情報は、国立天文台のホームページ「【プレスリリース】アルマ望遠鏡、惑星の種の成長に迫る」をご覧ください。

アルマ望遠鏡の観測をもとに描いたHD142527と周囲の塵円盤の画像

アルマ望遠鏡の観測をもとに描いたHD142527と周囲の塵円盤 [国立天文台]

アルマ望遠鏡で得られたHD 142527を取り巻く塵の円盤の画像

アルマ望遠鏡で得られたHD 142527を取り巻く塵の円盤の画像 
[ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Kataoka et al.]

◆発表論文の情報

雑誌名:The Astrophysical Journal Letters
論文名:Kataoka et al. "Submillimeter Polarization Observation of the Protoplanetary Disk around HD 142527"

(2016年12月7日)