人文学部・荒木准教授ら策定の「農林水産物の地理的表示(GI)活用ガイドライン」完成
―茨城の産品のブランド強化にも活用を

本学人文学部の荒木雅也准教授(専門:法律学)が策定のための検討委員を務めた、農林水産物・食品の「地理的表示(GI)活用ガイドライン」(農林水産省監修)が、このほど完成、公表されました。このガイドラインは、地域で育まれた産物の名称(地理的表示)を国が登録・保護する法律が今年6月に施行されるのに合わせ、地域の産物のブランド強化への制度の活用を図るために策定されたものです。
GI制度では、対象の産物の特徴が生産地の自然や生活の要因と結びつく形で差別化されていることや、その地でおおむね25年以上生産された実績・伝統があることなどが登録・保護の要件になっています。登録のハードルは低くないものの、登録を認められれば、最高水準の産地ブランドとしての評価を得ることにつながるということです。
GI制度に関して知的財産権などの法的なアプローチからの研究を行う研究者として検討委員に選ばれた荒木准教授は、「ぜひ茨城の生産者や関係者の方々にも積極的に申請を検討してほしい。そうすることが茨城県そのもののブランドを強化することにもなる」と話しています。

with_GL.JPG 荒木准教授のコメント
農業・漁業がさかんな茨城において、この制度で得られるメリットは大きいと思います。ただ、登録を受けるための、地域ぐるみの品質確保に向けた取り組みや、産地の歴史や伝統の論証にはそれなりの難しさもあるかも知れません。その点において、茨城大学が果たせる役割は大きいのではないでしょうか。登録を受ける上では、対象の産物の品質を適切に定義・管理体制を確保することが不可欠ですが、そこでは農学部の専門的な知見が役立つでしょう。また、ブランド作りにとって重要になる、その土地の地誌や歴史の調査には、人文学部の地理学や歴史学の研究が役立つかも知れません。もちろん、私を含む法学担当教員が法や制度の面からサポートすることもできます。
まずは一品でも良いから茨城県内で成功事例を作り、魅力的なGIを世界に浸透させることができれば、「うちでもやってみたい!」という声が広がり、茨城から多くのGI事例が生まれるはず。実際、登録可能な産品が数多くあると思います。茨城のみなさん、ぜひ一緒に挑戦しませんか?


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地理的表示保護制度とは?

日本には、各地域の地理的特性や伝統と結びついた農林水産物・食品がたくさんあり、その地の名称が使われています。「松阪牛」などはその代表格といえますが、これまで日本では、こうした産地名称を知的財産として保護する制度が十分でなく、そのためブランドの価値に見合うだけの強力な保護を受けることができませんでした。今回できた地理的表示保護制度(GI制度:Geographical Indication)は、地域と産物との関連性、品質その他の地理的特性、伝統やストーリーなどを基準に、産地名称に国がお墨付きを与え、地理的表示として登録・保護するというものです。(荒木准教授談)
参考:農林水産省:GI登録申請申請手続について(外部リンク)