低線量地域でもホットスポットを特定できる放射線カメラを開発

片桐秀明准教授 (理学部)、加賀谷美佳さん (理工学研究科博士課程 1年)、中山浩平さん (理工学研究科修士課程 1年) らのグループは、東大、北里大と共同で、放射線量が比較的低い地域でも短時間で放射線の飛んでくる方向を測定できるカメラ 「γI (ガンマアイ) 」 を開発しました。 「ガンマアイ」 は、センサーに安価なヨウ化セシウムの結晶を使い、放射性物質が出すガンマ線を検出します。特殊な半導体などをセンサーに使う従来品に比べて、大幅なコストダウン (*1) を実現可能です。大きめの結晶を内蔵することで、感度も10倍以上あがりました。

研究チームは開発のため、農地、住宅地で 「ガンマアイ」 を用いて実証実験を行ってきました。その結果、住宅ビル屋上に生えたコケから 1キログラムあたり 170万ベクレルを超える (*2) 放射性セシウムを検出しました。この測定に関する記事が、7月の朝日新聞 (7月4日朝刊)、読売新聞 (7月6日朝刊)、福島民友 (7月5日朝刊) などで掲載されました。

研究チームでは、安価で高感度な 「ガンマアイ」 を自治体などで活用していただき、高濃度に汚染されたホットスポットを早期発見することで、除染を効率的に進めて頂きたいと考えております。

現在、毎時 3.5 マイクロシーベルト以上の空間線量がある地域での測定は難しいですが、今後は毎時 5 マイクロシーベルトの地域まで測定できるよう改良をしており、年内の製品化を目指しています。

(*1) コストは、数百万円で特殊な半導体などをセンサーに使う従来品に比べて10分の1程度。
(*2) 対応する実際のコケの重量は400グラム程度。


■ 図1 住宅ビル屋上に生えたコケを中心に「ガンマアイ」で1時間測定した結果。赤が中間レベルで黄色、白の順番で線量が高い。コケ付近の地表では最大毎時15マイクロシーベルト。


■ 図2 空間線量が比較的低い地域での測定例。雨どいの排水口付近を「ガンマアイ」にて3時間測定した結果。赤が中間レベルで黄色、白の順番で線量が高い。右上に雨どいの排水口がある。この場所は、地表で最大毎時1マイクロシーベルト。

◎問い合わせ先

茨城大学 広報室
TEL 029-228-8008
E-mail kouhou-web〔at〕ml.ibaraki.ac.jp
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