特色ある研究領域

茨城大学では、研究を全学的な方針のもとに推進するため「研究推進方針」を定めています。この方針では、研究推進の重点分野として以下の3分野を定めています。

  1. 基盤的研究領域
  2. 特色ある研究領域の推進と育成
  3. 地域連携・社会貢献を目指す領域

これらの領域を中心に、全学的な研究推進戦略のもとで、地域の特色と教員の個性を生かした多くの研究が行われています。

特色ある研究領域1:応用原子科学

大強度陽子加速器施設 J-PARC(茨城県東海村)の実験装置をはじめ各種量子ビーム実験を用いて基礎研究及び産業応用研究を目指す分野です。先端科学企業や研究機関が多く集まる東海村の立地的特徴を生かし、応用原子科学に関する世界的研究教育拠点および産学官連携による産学クラスターの形成を目指して「茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター」を設置しています。同センターを中心に全学的な研究を推進することで、生命科学、物質科学などの分野でかつてない先端的な成果を生み出し、茨城大学の研究に新展開をもたらすことが目標です。

同センターは、21世紀の基幹科学技術をなす物質科学と生命科学を対象に、

  • 各種量子ビーム等を用いた原子スケールでの物質構造・機能の研究
  • 原子科学に関する基礎的研究の展開
  • 茨城県や近隣企業・研究機関との連携強化

を通して応用原子科学の発展と産業利用に貢献します。

同センターは以下の3部門から構成されています。


■茨城県生命物質構造解析装置iBIX

(1) 研究部門

物質科学、生命科学、および応用原子科学を対象として、各種量子ビーム利用を軸に物質の構造と機能に関わる研究を進めます。現在、「生体分子変換」と「量子ビーム先端材料」の研究プロジェクトを立ち上げています。



■茨城県材料構造解析装置iMATERIA

(2) 県BL研究部門

茨城県がJ-PARC内に設置した2台の中性子解析装置の運転・維持・管理・高度化に係わる受託業務と産業利用研究を行うとともに、大学内関係教員による研究プロジェクトの推進および、中性子ビーム利用高度専門技術者・研究者の育成を担っています。


(3) 産学官共同研究推進部門

産学官連携による新しいイノベーション創生を目指して、研究成果を地域社会に還元するための役を担っています。

フロンティア応用原子科学研究センター

特色ある研究領域2:サステイナビリティ学/地球変動適応科学

サステイナビリティ学連携研究機構の参加大学として、茨城大学地球変動適応科学研究機関(ICAS)を設置し、全学的な研究推進が図られています。気候変動への適応を中心テーマにしつつ、地球環境、社会、人間のサステイナビリティを保証するための文理融合型の研究・教育を標榜しており、茨城大学の擁する広い分野の研究者・研究力を発揮することで、一層大きな特色を生み出すことが期待される分野です。

ICAS は次の3つの目標を掲げています。

  • 気候変動の影響予測と適応技術・政策の提案
  • アジア各地域と茨城における持続可能ビジョンの研究
  • 気候変動適応科学およびサステイナビリティ学の創生とそれを担う人材育成

これらの目標に基づき、気候変動適応科学の観点からサステイナビリティ学関連分野の幅広い研究教育へと取り組みを進めています。

ICAS は以下の4つの研究部門からなります。

(1) 適応のための工学的手法開発

皆さんも、最近の集中豪雨の頻発化や台風の巨大化など気候変動を実感していると思います。実際、気候変動に起因すると思われる様々な自然災害が多くなっています。これからは、起きるであろう気候変動に対して、私達の生活を支えている社会基盤施設の実力を見直し、防災能力を向上させることが必要不可欠です。第1 部門では、土木工学、IT など工学的技術を活用した気候変動に適応できるサステイナブルな技術の構築を目指しています。

研究課題

  1. 日本における複合影響評価と適応技術
  2. IT技術を用いた適応策の検討
  3. 環境負荷低減と災害低減を同時に満足する技術の開発

(2)気候変動適応型の農業技術開発

気候変動適応型農業の基盤構築に関する研究を行っています。気候変動下でのアジア農村における持続可能な土地利用・農牧業システム、適応型栽培技術の開発、および農地生態系における土壌・水系物質循環保全などをテーマとしています。草原の乾燥化および人為的撹乱が植物群集に与える影響の分析や、作物が夏の異常高温等によって受ける障害や被害の発生要因の解明、さらにはカバークロップや不耕起栽培などの農法と温室効果ガス発生との関係を解析しています。

研究課題

  1. 気候変動下のアジア農村における持続可能な土地利用
  2. 気候変動適応型栽培技術の開発
  3. 気候変動下での農地生態系における土壌・水系物質循環保全

(3) 適応のための生活圏計画・適応政策

都市生活圏を対象として、気候変動や自然災害に対する地域の人々の考え方や適応行動、気候変動による都市環境機能や景観・観光資源への影響、地域の再生資源の利用システムと再生可能エネルギーの開発可能性、地域のエネルギー消費とCO2排出構造、土地利用計画や交通政策など地域レベルの緩和・適応策に関する分析評価に基づいて、気候変動に対する適応のための都市計画、適応政策のあり方とメニューを提案します。

研究課題

  1. 気候変動への適応計画
  2. 地域の再生可能資源の分析評価と再生可能エネルギーの開発
  3. 地域適応策の指針

(4) 新しい安全・安心社会のあり方

新しい安全・安心社会のあり方を追究します。気候変動に脆弱な国々における安全保障への脅威と国家安全保障戦略との関係に関する研究をはじめ、大災害時などに顕在化しやすい社会的な不平等の現状を捉え、社会的公平をいかに実現させるかを検討しています。また戦争・紛争等に端を発する地域コンフリクトをいかに緩和し「共生の知」を生みだしていけるのかについて、現地調査とあわせて理論的検討も行っています。

研究課題

  1. 気候安全保障政策の提言
  2. 社会的公平に関する研究
  3. 「共生の知」の創出

地球変動適応科学研究機関

再構築を実行中です...