Home Journal

英語スピーキングの新テキストを出版―藤井拓哉講師にインタビュー

インタビュー

 全学教育機構の藤井拓哉講師がこのほど、英語のスピーキング力を育てるテキスト『超ガチトレ 英語スピーキング上達トレーニング』をベレ出版から刊行した。2013年に出した『ガチトレ 英語スピーキング徹底トレーニング』の続編。テキストの内容や英語教育についての考えを藤井講師に聞いた。

fujii1.jpg

―一言でいうとどんなテキストですか。

藤井「シンプルに単語を使うことからスタートして、少しずつ新たな文法をマスターしながら英語スピーキングを身につけられるテキストです。前回出した『徹底トレーニング』のほうがおおよそ中学で習う文法を使っていたのですが、今回の『上達トレーニング』では高校の文法レベルぐらいまでカバーしています。『スピーキングを学びたいけど何から始めたらよいかわからない』と思っている方におすすめです」

―今回は表紙に「ネイティブがちょっと驚く英語力が身につく」と。

藤井「日本の高校で学ぶ英語って、決してレベルは低くなくて、ちゃんと身につけて使えば、文字通りネイティブが驚くレベルだと思うんです。文法は理解するのが難しいけれど、一度理解してしまえば簡単。あとは使ってみることが大切です。なので、それらの文法の知識について、あくまで『スピーキング』という切り口から段階的に身につけられる構成にしました。日本語のメッセージを一旦英語の語順で考えて、それから英語にする、という練習ができるようになっています。もちろん発音のコツについても詳しく書いています」

―『ガチトレ』『超ガチトレ』というタイトルで、それぞれ700ページ以上。結構厚さがあります。

藤井「かつて学生から、スピーキングがうまくなりたいので良いテキストを紹介してほしい、という相談を受けたことがあって、書店でいろいろなテキストを見たんです。ところが文法について詳しい本は練習問題があまりなく、反対に練習量が多いものは文法の説明が丁寧ではない、というふうにどれも中途半端な印象でした。こうなったら自分で理想的なテキストを作っちゃおうと、出版社に企画を提案して実現しました」
「語学のトレーニングで大事なのはやはり継続。今回のテキストでは、1回あたり30分~1時間でしっかり練習に取り組めて、その都度振り返りも書き込める内容になっています」

―今回はいわば「続編」という形ですが、最初の『ガチトレ』の反響が結構あったのでしょうか。

藤井「はい。ありがたいことにたくさんの方に活用していただいています。僕はブログをもっているのですが、ここでは自分のコンタクト先も公開して、オープンに感想や意見を求めているのです。実際、たとえば年配の方から『手にとってみたらとても良かった』という前向きなメッセージをいただいていますし、反対にご批判もいくつかいただいていて、そうした意見に対してはブログで反論することもあります。『闘う英語講師』を自称してるので(笑)」

―読者とのコミュニケーションを大切にされているんですね。

藤井「そうですね。実はこういうやりとりは、このシリーズより前に出版した『たくや式 中学英語ノート』という練習ノートで始めたことなんです。『このノートを完成させた人は、僕に送ってくれたら、新しいノートを2冊無料でプレゼントします』とブログで宣言したら、全国のたくさんの人たちが実際にノートを送ってくれたんです。しかも心のこもった手紙まで添えて。たとえば、おととし地震の被害を受けた熊本の中学生が、このノートに出会えてよかったとか。僕のほうはテキストにコメントを書いて返しています。本当にありがたいです」

fujii2.jpg―さて、今取り組まれている大学入試改革では、英語の入試について「読む」「聞く」「書く」「話す」という4技能を測る試験やTOEICなどの外部試験の採用が検討されています。こうした動きについてはどう考えますか。

藤井「今まではリスニングとリーディングのみだったので、いい方向に向かっているとは重います。ただ、外部の語学検定のようなものの場合、テンプレートのようなものが存在するので、語学の勉強がテクニック重視になってしまう懸念はありますね」

―やはり実際に英語を使ってみる機会を増やすことが大事ということですね。

藤井「テレビの"出川イングリッシュ"(日本テレビのバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ』でタレントの出川哲朗がアメリカを訪問し、現地でコミュニケーションをするコーナーがある)のように、マインドさえあればコミュニケーションはできてしまうものなんですよね。外国人がよく集まるバーとか、そういうところへ行って、ぜひ積極的に話をしてみてください」

fujii3.jpg

藤井拓哉/全学教育機構講師

1984年生まれ。15歳のときに仕事の都合で渡米。オハイオ州立大学・同大学院で教育学を学ぶ。帰国後しばらく、宇都宮大学で英語講師を務めていたが、東日本大震災をきっかけに被災地のひとつである宮城県七ヶ浜町に拠点を移し、現地の大学で非常勤講師として働く傍ら、瓦礫撤去などのボランティア活動にあわせて英語のワンコイン塾を開塾。2014年から茨城大学講師。

(取材・構成/茨城大学広報室)