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常総市の堤防をあのお菓子で賑わいの場に―人文・馬渡ゼミ、防災×観光の新提案で日本一をめざす

レポート

commit09071.jpg 鬼怒川の氾濫により多くの被害がもたらされた関東東北豪雨から、まもなく2年。特に被害の大きかった茨城県常総市では今年も市をあげての防災訓練が行われた。そうした中、人文社会科学部の馬渡剛ゼミ(地方政治論ゼミナール)の学生たちが考えた、防災と観光をつなぐあるアイディアに注目したい。「大学生観光まちづくりコンテスト2017」というコンテストの「インフラツーリズムステージ」部門で予選審査を通過した10チームのひとつに選ばれ、本選成果発表会に出場することが決まったのだ。

 同コンテストは、観光まちづくりを通じた地域活性化プランを競うもので、全国の大学生が、現地でのフィールドワークを通じて新しい観光まちづくりのアイディアを提案する。これまで提案されたプランの中には、実現に向けて順調に進行しているものも少なくない。

 このコンテストへの出場に向け、馬渡ゼミが選んだフィールドが常総市だった。もともと鬼怒川とともに発展してきたまち。この地の人々は、水害リスクと共生しながらも、水辺での生活を育み、賑わいを創出してきたのだ。

 学生たちはさっそくフィールド調査を実施。神達岳志市長へもヒアリングを行った。 2015年の関東東北豪雨の発生後、堤防は再建され、まちとしての防災の取り組みは強化されたが、人口、観光客の減少という課題は深刻さを増した。また、防災意識もいずれは風化してしまうかも知れない。学生たちはそれらを課題と捉え、常総市の「防災先進都市」というビジョンを実現する新たなまちづくりのコンセプトとして、堤防を観光資源とするアイディアを構想した。「強い」だけではない、「強く優しい」堤防にすることで、かつての水辺の賑わいを再び取り戻しながら、地域の絆を育てて災害の記憶を後世へとつないでいく発想だ。

 そうして学生たちが考えたプランの名が、「きぼう×ていぼう×うまいぼう~"おかし"な堤防プロジェクト」。堤防という場を活用して未来の希望の場に...というのはわかるが、「うまいぼう」って、あの「うまい棒」?
 実は「うまい棒」を製造しているリスカ株式会社の本社所在地が常総市なのである。本選前なので残念ながらプランの詳細は書けないが、堤防に巨大な「うまい棒」が登場し、子どもたちが遊べる仕掛けのようで、「SNS映え」もしそうな内容だ。他にも、幻想的な演出やアウトドアのアイディアを活かしたプランを提案している。

commit09072.jpg神達岳志常総市長への提案

 プランの内容は、事前に常総市へも提案。神達岳志市長も「これこそ私がやりたかったことだ。ぜひ実現させましょう」と太鼓判を押した。また、うまい棒をつくるリスカ株式会社も、「どの提案も話題性や自然災害を忘れないなど、意味のある具体案だ。地域に貢献できることなので、実施の際は前向きに検討させていただきたい」と応援してくれたという。

 実現へ向けた地域のこうしたサポート体制と、明確なコンセプト、斬新なアイディアなどが評価され、馬渡ゼミのプランは見事コンテストの予選を通過した。本選は9月15日(金)に埼玉県で行われ、他の9チームと優勝を争う。馬渡ゼミの活躍を、ぜひ応援してほしい。

commit09073.jpg(取材・構成:茨城大学広報室)