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日本語禁止!茨大English Camp、最高のセッションの秘訣

レポート

EnglishCamp

 「10、9、8、7...3、2、1、Zero!」輪になって並んでのカウントダウンが終わったら、そこからは日本語禁止の世界。約30人の参加者はみんな、英語で会話をしなければならない。

 水戸キャンパスで7月15日(土)・16日(日)に行われたEnglish Camp。英語の学習に興味のあるメンバーが集まって、朝から夕方まで「セッション(Session)」と呼ばれる活動に参加する。会話はすべて英語。セッションの内容は事前に知らされず、参加者は企画・進行役のTAに誘導されながら、複数の活動に挑戦する。参加者は茨城大学の学生のほか、卒業生や他大学の学生、社会人もいる。
 4人の参加者と1人のTAというのがグループの基本単位。このメンバーで、たとえば「Song Transcription」というセッションに取り組む。これは洋楽の虫食い状態の歌詞カードを渡され、スピーカーから流れる曲を聴いて歌詞を書き取る活動。全員で協力しながら歌詞を完成させる。正解が発表されると歓喜の声があがる。TAが歌詞の世界を説明し、改めてグループ全員で曲を味わう。
 それから「Loudspeaker」も人気のアクティビティだ。ニュース記事のような文章の音声テープをひとりが聴いて復唱(シャドウイング)する。それをグループのほかのメンバーが書き取る。音声を聴くメンバーを交替しながら何度か続け、文章を完成させていく。「聴く」「話す」「書く」という技能が一気に問われるグループワークだ。

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グループで歌の歌詞を聞き取る「Song Transcription」

 一日中英語漬けというのはさすがにぐったりするが、グループで取り組むから辛くはない。自分の英語コミュニケーション力を実感できるとともに、楽しさと達成感がしっかり残る。この楽しさと達成感を導くために、ツールや構成を考え、進行するのがTAとなる運営チームの役割だ。

 今回、運営チームのリーダーを務めたのは、教育学部英語選修3年の佐藤 響 さん。一連のプログラムを終えたあとに話を聞いた。
 茨城大学のEnglish Campのイベントは夏と冬の年2回。リーダー(チーフと呼ばれている)はイベントごとに交替するので、1年生のときから参加している佐藤さんも全体を引っ張るのは初めて。ずばり、今回の手ごたえは?

 「しっかりできたと思います。アンケートでも『楽しかった』という声が多かったです。前回(2016年度冬)がいろいろうまくいかない点があったので、そのときの課題を洗い出してひとつひとつ解決していったのが良かったんだと思います」

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TAを務めるリーダーの佐藤響さん(中央)

 この「English Camp」の基となっているのは、東京学芸大学で長年続いている「ITC(Intensive Training Course of English)」という活動。本場の学芸大では、7日間にも及ぶ合宿もあるという。

 「実は高校生のときから学芸大のITCのことは知っていて、興味があったんです。だから茨大にも同じ活動があると知ったときはすごく嬉しかった。1年生で初めて茨大のCampに参加したときはすごく発見が多くて。そのあと、学芸大のKITC(7日間のコース)にも参加できました」

 茨城大学でEnglish Campの活動が立ち上がったのは3年前。佐藤さんがまだ高校生のとき。当時学部2年生だった小勝さやかさん(現在は大学院生)が、齋藤英敏准教授に勧められて学芸大のITCに参加したことがきっかけだった。佐藤さんは2015年の夏のCampで初参加し、その後、学芸大のKITC参加を経て、次のCampから運営メンバーになった。

 「この頃は別の地域プロジェクトにもがっつり関わっていたので、めちゃめちゃ大変でした。でも先輩たちがそういう私の事情も理解してくれて、『最低限これだけやればいいよ』ということを指定してくれたんです。それで乗り越えられました」

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 リーダーとして臨んだ今回は、運営チームに創立メンバーが誰もいないという初めてのCampだった。どんな点を工夫したのだろうか。

 「運営ミーティングを、これまでの平日の昼休みから、毎週土曜日に変更したんです。みんな、バイトの調整とかは大変だったと思うけど、おかげでしっかり準備できました。ミーティングでは、何を学ぶべきか、それは役立つものか、そしてどう教えたらわかりやすいか、ということを徹底的に考えます。それから、今回は初めてセッションごとに指導案を作ったんです。これも役に立ちました」

 学校の英語の授業では体験しなかったメソッドをどん欲に取り入れながら、自分たちなりに「茨大版」にローカライズし、実践していく。大学で学ぶ教育方法の理論が、具体的に活きていくことを実感しながら活動しているという。
 ひとまず大きな仕事を終えた佐藤さん。このあとはどうするの?

 「1ヶ月後に留学することになっています。行き先ですか?ブルネイです。茨大が新たに協定を結んだばかりのところなんです。せっかくなら、周りの人たちがあまり行かなさそうなところに行きたくて」

 今回のCampにはディスカッションの時間もあった。そのセッション名は「RE:LIFE」。何ごとにも前向きでアクティブな佐藤さんは、まさに「RE:LIFE」を軽やかに遂げていくようなエネルギッシュさに満ち溢れていた。

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(取材・構成:茨城大学広報室)